概要
デジタル化・AI導入補助金2026は、中小企業・小規模事業者等がAIを含むITツールを導入し、業務効率化や労働生産性向上を進めるための全国制度です。通常枠では、事務局に登録されたIT導入支援事業者と登録ITツールを選び、申請者と支援事業者が共同で申請・実績報告・効果報告を行います。補助対象はソフトウェアだけでなく、機能拡張、データ連携、セキュリティ、導入研修、保守サポートなども含みますが、交付決定前の契約・発注・購入は対象外です。申請後も、事業実績報告と複数年の効果報告が必要になるため、単なる購入補助ではなく、継続利用と効果確認まで含む制度として扱うのが安全です。
対象者
対象は、労働生産性向上を目的にAIを含むITツールを導入する中小企業・小規模事業者等です。法人は日本国内で法人登記され、法人番号が公表され、日本国内に本社と補助事業実施場所を有する必要があります。個人事業主は日本国内に補助事業実施場所を有する必要があります。申請直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であること、GビズIDプライムを取得していること、SECURITY ACTIONの一つ星または二つ星を宣言していること、申請者自身が管理する携帯電話番号を登録することも要件とされています。
資本金・従業員数は業種別に判定されます。公式要領では、製造・建設・運輸は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売は1億円以下または100人以下、サービス業は原則5,000万円以下または100人以下、小売は5,000万円以下または50人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下などとされています。医療法人・社会福祉法人・学校法人は300人以下、商工会・商工会議所等は100人以下とされています。
条件のひとつとして重要なのが、3年間の労働生産性向上計画です。通常は1年後に3%以上、3年間の年平均成長率3%以上の向上を目標とする事業計画が求められ、過去にIT導入補助金の交付決定を受けている場合は4%以上が求められる場合があります。労働生産性は「営業利益+人件費+減価償却費」を年間総労働時間で割って算定するとされています。
補助対象経費
通常枠の補助対象は、登録されたIT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールです。大分類Iはソフトウェアで、買い切り型だけでなく月額・年額のサブスクリプションも最大2年分が補助対象になります。大分類IIはオプションで、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティが含まれます。大分類IIIは役務で、導入・活用コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートが含まれますが、役務全体の補助対象経費は200万円が上限とされています。
ITツールは、顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務、業種固有プロセス、汎用・自動化・分析ツールなどのプロセスに紐づきます。公式要領では、150万円未満の申請は1プロセス以上、150万円以上450万円以下の申請は4プロセス以上が必要とされています。
対象外経費の例としては、交通費・宿泊費、補助金申請や報告の申請代行費、消費税、交付申請時に利用金額が定まらないITツール、無償提供されているもの、リース・レンタル契約のITツール、中古品、交付決定前に購入したITツールなどが挙げられています。
補助額・補助率
通常枠は、ソフトウェア購入費・導入関連費について、補助率は原則2分の1以内とされています。一定の最低賃金近傍の従業員が全従業員の30%以上いる月が3か月以上ある場合は、補助率が3分の2以内になる場合があります。補助額は、5万円以上150万円未満が1プロセス以上、150万円以上450万円以下が4プロセス以上という区分で示されています。
このページは通常枠を主な対象としています。インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠は公式サイト上で別の枠として掲載されており、スケジュールや補助条件も一部異なるため、それぞれの公募要領を公式サイトでご確認ください。
申請の流れ
公式に示されている標準的な流れは次のとおりです。まず制度内容を確認し、GビズIDプライムを取得します。次にSECURITY ACTIONを一つ星または二つ星で宣言します。続いて登録されたIT導入支援事業者に相談し、登録済みITツールを選定します。IT導入支援事業者から申請マイページへ招待され、申請者がマイページを開設します。
その後、申請者とIT導入支援事業者が共同で申請内容、事業計画、ITツール情報を入力し、申請者が最終確認・宣誓を行って交付申請を提出します。採択・交付決定を受けてから、契約、発注、納品、導入、請求、支払を行います。最後に実績報告を提出して補助金額の確定と交付を受け、導入後は効果報告を提出します。
必要書類
法人の場合は、履歴事項全部証明書、直近分の法人税納税証明書、直近分の貸借対照表および損益計算書が必要とされています。個人事業主の場合は、本人確認書類、所得税納税証明書、確定申告書控え、青色申告決算書または収支内訳書が必要とされています。補助率3分の2の適用や加点を受ける場合は、追加書類が必要になる場合があります。
提出書類は申請枠や申請条件によって変わるため、最新の必要書類は公式要領および申請マイページの案内でご確認ください。
採択後の管理
交付決定前に契約・発注すると補助対象外になります。実績報告では、請求書・請求明細、銀行振込やクレジットカード一括払いの支払証憑、補助金受取口座情報、ITツール利用を証する画面キャプチャなどが必要とされています。支払方法は原則として銀行振込またはクレジットカード1回払いのみとされています。
事業終了後は、営業利益、人件費、減価償却費、総労働時間、1人当たり給与支給総額、事業場内最低賃金、継続利用の証明などを効果報告として提出します。効果報告は事業計画期間に応じて複数年度にわたって求められます。書類等は補助事業完了年度終了後5年間保管し、検査や会計検査院への提出に協力する必要があるとされています。
よくある質問
- Q1. 交付決定前に契約してよいですか?
- A. いいえ。交付決定前の契約・発注は補助対象外で、交付決定後に行う必要があるとされています。
- Q2. ITベンダーなら誰でも対象になりますか?
- A. いいえ。事務局に登録されたIT導入支援事業者と、事務局に登録されたITツールから選ぶ必要があります。
- Q3. GビズIDは必要ですか?
- A. はい。申請要件としてGビズIDプライムが必要とされています。取得には数週間程度かかる場合があります。
- Q4. 申請代行費は対象経費ですか?
- A. いいえ。補助金申請・報告に係る申請代行費は対象外とされています。
- Q5. 効果報告を提出しないとどうなりますか?
- A. 賃上げ目標が必須となる申請で効果報告を期間内に提出しない場合、補助金の全部または一部の返還を求められる場合があるとされています。